2016年3月20日日曜日

第三回 日本臨床作業療法学会 学術大会 2日目

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鼻が詰まっているにも関わらず,蒲田駅前でカレーの匂いが一瞬で辺縁系に届き,「ココイチがある!」と振り向いたら,30mほど離れた斜め後ろにありました.自分でもびっくりのtomoriです.地元の名物とか人気店とかいいんです.ココイチください(笑)





さて,第3回 学術大会の二日目です.朝からボスの長谷先生と久々にお話させていただいて,とても懐かしく思いました.長谷先生は作業療法の師でもあり,人生の師でもあります.なぜか長谷先生の周りには僕みたいな人がさくさん集まります.教授,先生,師というのはこうあるべきだなとも思います.てか,初日の鈴木さんのスライド覚えていますかね.僕もよく使わせていただくのですが,この対談をしてくださったのが長谷先生です.学生の時に初めて読んで,脳天をかち割られました.



この論文を読んでCOPMを知り,次に勉強させていただいたのが吉川ひろみ先生です.吉川先生も今回来てくださいました.初めてお会いしたのが長崎で行われた研修会で,吉川先生が来ると知った瞬間に,「迎えに行かせてください!」と言っていました(笑) そういえば長谷先生もほぼ同じ感じで迎えに行きました(笑) 僕は長崎に行ってホント幸運でしたね.

さて,吉川先生はDoingの重要性を講演の中で問うていました.吉川先生は覚えていないと思うのですが,僕とのメールのやり取りで,「これからあなたがどういう行動をするかで,あなたを判断したいと思います」という言葉をくださいました.昔から首尾一貫してDoingを重視しています.それを理解しているかしていないかで,あの講演の貴重さが分かるのかなぁと思いながら講演を拝聴してました.真剣なことを笑って話せることほど,偉大なことはないんです.

このように,僕の作業療法人生に大きな影響を下さった先生がたをお招きし,第3回大会を過ごせたことは僕にとって個人的にとても幸せでした.



一方で,竹林さんから,こういうエピソードを聞きました.
昨日まで、開かれていた日本臨床作業療法学会にて、後ろに座っていた2年目の女性の作業療法士さんに、「ひとつ、教えて下さい」声をかけられました。彼女がえらく、憤慨した表情で僕に詰め寄ります。(エロすぎて中略w) 「昨日から、たくさんの演題や特別講演を聞いていて、皆んなが「作業療法の危機だ」とか、「作業療法を広めたい」と口々にいってる。なのに、発表では「私は◯◯だと思う。」とか「クライエントはこうコメントした」とか、物語みたいに自分の主観だけで話したり、誰も知らないような作業療法の評価を作って説明したりとか、矛盾してると思うのです。」と。

竹林さんは以下の通り答えたようです.
いや、10年前の自分を見ているようでした。熱く、そして、真摯なその瞳に昔の自分を重ねました。そこで、失望し、色々なところを巡って、最近、また帰ってきた自分には、この娘の気持ちは痛いほどにわかりました。「それはね、単純に作業療法の中の学問の高さが違うんだよ。」とお話を始めました。今の僕にとって、「作業療法士が哲学的に考え、作業療法を深める研究」も、「一人の患者に人として、向き合い、情動を惹起させる症例報告」も、「作業療法の効果を疫学的に他職種および世間にしらす研究」のどれもが素晴らしい研究だと思っています。ただ、どの分野でも、研究の「質」は問われますよ。そこに、届いていないのは、論外です。でも、そのバリエーションはあっても良いものなのです。それを、専門的な位置集団だけで、盛り上がって、他と共有しないことが問題なのです。



皆さんはこのやり取りを読んでどう思いますか??

僕は,その彼女がわざわざ竹林さんに聞いた勇気と,竹林さんの思慮深い返答を,僕は日本臨床作業療法学会の学術部長として重くうけとめなければいけない,と深く反省しました.作業療法士として,それぞれ持ち場と役割があります.それを一人ひとりが全うしなくちゃいけないんです.そう考えると,現場が頑張っていることは第1回からよく理解できます.でもエビデンスを創る持ち場にいる人がその役割を果たしていないのかも.いや「かも」じゃなく,してないですよね.

僕のこれからも進むべき道をよく考えさせれられる2日間でした.

藤本大会長,本当にありがとうございました.運営の皆様,ありがとうございました.本当に,いろいろなことがいろいろな苦労や思いの積み重ねで今があるんです.参加された方,感謝の気持ちは言葉ではなく日々の実践で示しましょう.


最後まで読んでくださり,ありがとうございました.










2016年3月19日土曜日

第三回 日本臨床作業療法学会 学術大会 1日目

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先週、今週と東京に来ております。tomoriです。

さて、第三回となりました。学術大会。今回は藤本大会長のもと、330名ほどが集まってるそうですが、何よりそのうち104名が発表、150名以上が懇親会に参加するという、相変わらず「超参加型」の学会でもあります。

会員も堅調に増えているようで、作業を大切にする人であれば誰でも参加して熱く語り合える、というコンセプトが、今までありそうで無かった学会、と僕は認識していますし、昨日大先輩の作業療法士からもそう言っていただいたことは嬉しかったです。これからもこのコンセプトは大切にしていきたいですね。



さて、今回は研究のセッションで座長をしました。抄録はこちら
3演題ともレベルは高かったのですが,一つだけ紹介させてください.

北海道の作業療法はパラダイムシフトしたのか? -北海道作業療法学会演題名からの検証-
済生会小樽病院 三﨑 一彦,白井 美奈子

過去北海道は,日本に作業行動や作業科学を広めた第一人者である故 佐藤剛先生を中心に,作業系の先人たちが沢山いたにも関わらず,臨床ではパラダイム・シフトが起きつつ有るのか?という臨床疑問をもとに,過去の北海道学会の抄録をかき集めてテキストマイニングで分析した研究です.

タイトルだけ見ると日本臨床作業療法学会っぽいな〜という発表ですね.でも僕は毎年沢山の論文を編集・査読に関わっていますが,研究するならこういう感じで臨床疑問(クリニカル・クエスチョン)を研究疑問(リサーチ・クエスチョン)として落とし込んでいってほしいな,という見本になるなと思っています.

よいリサーチ・クエスチョンとは,福原俊一先生によれば


とあります(僕が大学院の授業で使っていた資料です)

本研究は,臨床疑問から「素直に」湧き出ている問いであり,独創的で興味深いです.地域包括ケアの充実が求められる昨今においても社会的に意義のある急務の課題でもあります.倫理的に問題ないし,なるべく変数も測定可能,デザインも構造的にしようという努力が見られます.そしてテキスト入力は大変だったでしょうが,自分が頑張ればできるというデザインは実現可能性も高いです.あと僕個人的に「北海道に貢献したい!」という地元愛が込められていて,何よりそこが好きです(笑) まぁいろんな意味でバランスが取れていた良い研究だったと思います.

詳細はこの本で.非常に非常にわかりやすく,研究に興味の有る初学者には是非読んでいただきたい本です.





あと,総会で,今年はニーズに応じて講師を派遣をすることも決定されました.つまり各地域で会員が勉強会などの企画をして,理事会で通れば,こちらから適切な講師を派遣します,というものです.これは①OTの楽しさをシェアしたい,②会員になんか還元したい,③会員の皆様に企画力を高めるための機会にしたい.という思いがあります.詳細はのちほどメールでお送りすると思います.ご活用ください.



今日は,僕も本学会で初めて発表します(笑) 発表7分だと思っていたら,15分らしく,内容をこれから追加します(笑) ではでは〜.




最後まで読んでくださりありがとうございました!


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